ギター文化館 シニアギターコンクール
シニアエイジ55歳〜の部
第3位

丸田 文男 インタビュー



ーーギターを始めた時期ときかっけを教えてください。

丸田  中学3年生のときです。きかっけは、当時フォークソングが流行っていて、それをやりたくて。でも、どうもギターの音と自分の歌が合わなかった。音痴かなと思ったりしました。けれどギターはやりたい。それでクラシックギターを始めたんです。

ーー歌が合わない?

丸田  フォークは弾き語りですよね。ピーター・ポール&マリーとか、彼らのように歌えない。自分の声はフォーク向きじゃないなあ、と。

ーー当時はエレキも爆発的に流行してましたよね。

丸田  ベンチャーズも好きでした。エレキ購入は親にも話してみたけどだめでした。でも兄はエレキギターに向かうんですよ。彼は関東学院大学で寺内たけしさんの後輩で、かわいがっていただいてたこともあって、その後バ ンドマンをしてました。私はクラシックに向かったわけです。

ーー先生につかれたんですか?

丸田:はい。中学3年から。近くにカワイ音楽教室があって、そこのギタークラスですね。大学に入るまで、そこの鈴木将之先生につきました。人間的にとても信頼できる素晴らしい方でした。その先生にお会いできるのが楽しみで、ギターを続けていました。

ーーコンクール経験は?

丸田  大学に入ってからは自分でコツコツ練習して4年のときに神奈川 ギターオーディションを受けましたね。でもうまくいかず溝淵浩五郎門下の山本和男先生に1年ついて、もう1回神奈川ギターオーディションを受けてみたんですが、やっぱり入選はできませんでした。でその後就職、少しギターからは離れました。

ーー今回出場したきっかけは?

丸田  第1回のときからこのコンクールのことは知っていて、出たい気持ちもあったんですが仕事が忙しく難しかったんです。
それに他人から「丸田さん、ギターうまいね」と言われることもあったのですが、プロの方の評価が欲しかったのです。
今回はシニアの資格ができた、ということで挑戦しました。

ただ、予選では納得できる演奏ができたんですが、本選では調弦を十分確認せずに演奏を始めてしまいました。とくに3弦はめちゃくちゃで演奏中は混乱してました。舞台ソデまでは合ってたんですが。

途中で止めて弾き直そうかともちらっと思ったんですが、コンクールだから絶対に止まっちゃいけないと思い、3弦は大きな音で弾かないようにして何とかポロネーズの最後まで弾きました。

ーーそうでしたか......。

丸田  だからあの演奏で3位に入れたのが、うれしくて、というのと、もどかしいのとちょっと複雑なんです。

ーーいい演奏だったと思いますが……。ところで、ふだん演奏発表の場とかどうですか?

丸田  ソロギターで、というのはほとんどありません。じつはリュートも弾くんですが、リコーダーの女性たちの伴奏をよくやっています。それと横浜プレクトラムソサエティーというマンドリンオーケストラに参加しています。 こちらは若い人からベテランまで幅広い年齢層で構成されています。定期演奏会もやってまして、ここには管が入ったりもして楽しいですよ。

ーーご自身のレパートリーもたくさんありそうですね?

丸田  いや少ないですよ。メルツの曲は学生時代から好きでした。ただ今回演奏した曲はこのコンクール用に選びました。ポロネーズはインターネットオークションで見つけた楽譜を手に入れてみていい曲だな、と。

ーー使っていたギターは?

丸田  西野春平さん。2003年の作です。5年使っていることになるのかな。

ーー印象に残るギターコンサートは?

丸田  日比谷公会堂で聴いたセゴビアですね。晩年でしたしミスもあったけど、ああ、セゴビアと同じ場所同じ空間にいて同じ空気を吸っているということが感激でした。

ーー普段の練習は?

丸田  ほとんどしません(笑)。せいぜい15分くらい? 昔一生懸命やったことが、うまく蓄えにできているのかもしれません。ただ、30年前の話ですけど、学生時代の神奈川ギターオーディションのときは、「アストゥリアス」の途中止まってしまったんです。あのときに止まらず弾き通せていたら……、とか、今回もあそこで調弦がもっとうまくできていたら、とか、悔いが残ってますねえ。

ーーなにか闘争心に火がついたかんじですね?

丸田  欲が出てきたかもしれません(笑)。

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